見上げれば…

　そこにはいつも空があって…

　深呼吸して…

　少しの間そこに立ち止まり…

　高い高い視線の向こうにいる主人に話しかける…。

「元気にしていますか？

　今日…娘から手紙が届きましたよ。

　「痩せなよ！」ってラクビのサプリと一緒に…。

　そして、なっちゃんから手紙が。

　２枚です！

　多分…私を描いたのでしょう。

　絵と言葉がありました。

　それ見て…泣きました。

　手紙を見て…泣きました。

　そうです。私は、あなたが死んでしまってから…というもの・・・

　いくらでも…いつでも涙が出ます。

　涙の女王と呼ばれる韓国の女優チェ・ジウ以上です。

　会いたいです。

　抱きしめたいです。

　なっちゃんを…ゆりちゃんを…

　娘を…

　あなたを・・・。

　あなたがいないから…

　以前に増して・・韓ドラばかり見るようになりました。

　そして、

　そのドラマの内容は決まって、

　ドロドロ系…

　復讐…ものです。

　おかしいですか？」

　あなたが生きていれば…

　随分違う50代…を過ごしているのでしょう。

　たまに夫婦で娘家族に逢いに行き…

　休みの度に、娘が孫を連れて実家に帰る…。

　ごく…普通のことを…。

　満面の笑顔で・・・

　主人の横で… きっと！

　そんな誰もがしている事を、楽しみながらやっているのでしょう…。

　それが…「幸せ」というものなのでしょうか…。

　きっと…それは普通のごく当たり前の夫婦が時を重ねれば経験することで…。

　あなたがいること！

　あなたに毎日会えること！

　あなたの横に座れること！

　あなたを視つめて話せること！

　そんなことが…

　普通のことが…

「幸せ」だったなんて。

　あなたが生きていても…

　どうせ…

　私は私！

　あなたはあなた！って…

　多分言っている私だけれど…

　でも…

　私は絶対に今より笑っている。

　この頃…

　隣の部屋が夜の9時を過ぎた頃から・・賑やかになるのは…⁈　

　まさか…

　まさか！

　お隣さんが入居した！ってことなのでしょうかっ⁈

　しかも、1人ではないような・・・気がします。

　2人でもないような…⁈

　3人？　　

　4人？

　狭いアパートです。

　まさに！

　密接　密集…。

　実は・・

　このアパートに住むようになって2年と9ヶ月になるのですが、ずっと両隣には誰もいませんでした。

　多分…。

　見たことがないので、はっきり言えませんが…

　いなかったはず…です。　

　何の音も声も聞こえませんでしたから。

　真上の部屋からは、物が落ちた音やたまに歩く音が聞こえます。誰かが住んでいると思われます。

　引越した当初から思っていたことがありました。

「このアパートの住人？本当にいるのかっ！」って…！

　静かで…誰とも鉢合わせしないからです。

　遅出（夜10頃帰宅）で帰った時には、半数以上の部屋から明かりが見えます。

　朝早くバイクを動かす音がしている時期もありました。

　確かに人はいるのです。

　それにしても・・・

　あぁ〜あ…です。

　この４月から…

　隣に・・・誰かが入って来ました。

　ほら！ほら！

　何やら話し声が聞こえてきましたよ！

　人がいる…って

　心強いような…不気味なような…

　会うこともないし話をすることもないのですが…

　なんか嫌だなぁ…。