絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

エネルギーは「ゼロ」

新しいことを始めるって…こんなにもエネルギーがいったんだ!

休みの度に微熱が出て…

頭も体も重くてだらしい。


しかし…窓の外を見上げれば・・

空は、青く澄み切っていて、何処からともなく…

聴こえてきそうな・・・

さくら♩ さく〜ら♬の

世間の声を

遠くに…聞いて過ごした。

休日は、ゴロゴロ!ゴロゴロ。身体が全く動かなかった。そう…していたら、いつのまにか葉桜になってしまってて…。


こんなにしんどかったかなぁ?

実は、4月から勤務地が変わった。

通勤時間が35分〜45分(時間帯によって)になった。今までの4倍〜5倍はきつい。

おまけに、学園が来年度から完全統合の為、私が支援する利用者さんも学齢児だけではなくなった。

学園には、成人された利用者さんが全体の40%を占め次の移行先も見つからず、ずっと育った学園の中で今でも生活している状況である。


そこへ4月1日から勤務になった。


言葉を発しない利用者さんも多いこと…

生活全般に生活介護が必要な利用者さんが多いこと…


初めての事が多くて…


1日の仕事が終わると、誰とも話ができないほど、体も心も…疲れた。


目を開くのも、息をする事さえもめんどくさいほど…本当に…疲れた。

新しいことに挑戦するって…

もっとワクワクしていたのに・・・

新しいことが始まる…って、もっと嬉しかったのに…。


もう…そんな力がなくなっていた。


約2年前、

新しい生活の場をここに決め、2人で暮らした家から出てきた時は、何でもできそうで…。何でも挑戦したくて…そんな気持ちだったけれど。


今はもう…何かを始めるエネルギーは、いつのまにか…底をついてしまっていた。


0になっていた。


疲れた…

自分に優しく…

私が、今こうしている瞬間も、はっきりと形に現れ存在する顕在意識「理性的なもの」と、表には現れない潜在意識(無意識)「本能的なもの」によってコントロールされ生きているのだとすれば…。


人は哀しくとも…

「理性的に…」

いつ…何時でも泣いていいものではなく…、ましてや人前では、その苦しみや哀しみを隠し「強く」あるように振る舞わなければならないのであって…


誰から教わったことだろう…。


知らず知らずのうちに、私の行動は、「心の本当」を隠し「心の嘘」を無意識のうちに表面化することが正しいことであり、美しいことなのだと信じ繕って生きている。

特にこの4年間はそうであった。

それは、そんなに難しいことではなかった。偽りの自分で生きていることの方が楽でもあった。


これから先もずっと私は、幸せを装って生き続けると思う。みんな…も…きっとそうなのだろう。

人には、人には言えない、見えない苦しみや悲しみが多かれ少なかれあるはずだから。

自分らしく生きているようで、本当は、「自然に心にブレーキがかかり…知らずまにコントロールされ「自分らしく生かされている」のだろう。


生きやすいように…

生きることが、自分らしく…と・・いうことなのだろう。

錆びた空気

タイヤ交換もしたかったし、

娘が物置き代わりに、沢山持ち帰っていた新生児用のラックやおしめや服などを取りに行きたいと言う訳で・・

久しぶりに家に帰ることにした。


義母は孫である娘が帰って来るのが嬉しくて、昼食の支度をし、いつも何かしらのプレゼントを用意して待っている。何日も前から電話でランチメニューを相談し合いながら…。


私に電話してくることはない。(鬼嫁…ですから…)まあ、電話がかかってきたところで、「何でもいいです」としか答えないだろうし…。話すことなんて何もないから…。


さあ!

高速飛ばして、約2時間。


ワクワクしないドライブだ。

会いたい人がいないから。


それにしても、やっぱり「晴れた!」

私は晴れ女だ!

この日も週間予報は雨だったにもかかわらず…晴れた!


車が、山の上の方を走る時には、雨がパラつくこともあったが、平地ではお出かけ日和の天候になっていた。


春まじか…そんな日

高速を運転するのは気持ちいい。


もう…すっかり春なのだろうか。

私の心に「春」なんて来ることはないなぁー・・そんな事を考えていると

家に着いた。


娘は直ぐに義父母の住む家に入った。


私はあっちゃんと暮らした家の玄関のドアを開けた。

帰った家は、

古い空気の匂いがした。

慣れ親しんだ匂いでもあるような…だけど、その空気には新鮮さがなく、錆びているように感じた。


人が暮らさない家は呼吸をしていなかった。


もう…ここで暮らすことは本当にないかもしれないと思った。


1ヶ月に一回帰って来ると言った約束が、2ヶ月に一回になり…3ヶ月に一回となり…段々遠退いている。


あっちゃん…ごめんね!