生きることは…わすれること・・
こうしてはいられない!
動き出さなければ・・・
歩み出さなければ・・・と、思う。
でも…
倒れ込んだ時、肩を叩いてくれる人が…
立ち止まった時、そっと背中を押してくれる人が…
一番傍に居て、支えて欲しい人が
・・・いない…。
明日になっても、
一週間後も…一年待っても…
ずっと…ずっと…
いない…。
それでも…前に進まなければならないのか。
それなのに…頑張らなければなら
ないのか。
人は「生きる」ために…
人の脳は、忘れるようにできているらしい。
確かに…あの闘病の日々の嗚咽の出そうな恐怖心を思い出そうとしても…
あの時のズーンと心にのしかかるような恐怖心は…その感覚は…薄れてしまっている。
「負の感情」は弱まるようにできているのだろう。
ずっと続いていたら、今こうして生きていることなどできないのだろうから。
だからって…
何もかも忘れている訳じゃない。
全て覚えている。
顔や手の…あのフワフワした皮膚の感覚も…
目覚めた時に話した内容も…
あの目も…
ずっと一緒にいた病室も…
全て覚えている。
でも…生きていれば、
少しずつ忘れいくのだろう。
これから「生きる」ために何を忘れていくのだろうか。
「哀しみ」は深まるばかりなのに…
私は、
一体…何を忘れるんだろう。
