聞こえた…命のカウントダウン
24時間の命と言われたけれど…
新しい年を迎えることができた。
お節料理もお雑煮も…何にもない病室だけど・・
あっちゃんは、72時間以上生きていた。絶食でお水の量も決められていた。
腫れ上がった体も5日間の絶食で少しスリムになったように感じた。しかし、相変わらずお腹は、腹水のため腫れていた。
それでも…
生きているだけでよかった。
笑うことは少なかったが、ただ世間話が出来るだけで良かった。
温かい手を握れるだけで良かった。
しかし、あの「24時間の余命宣告」は、一体何だったのだろう。こんな嘘を、堂々とハッキリと吐く先生も大した者だ…と、思っていた。
しかし、
「もう大丈夫なんだ。」という安堵感は全くなかった。それより、音を立てずに確実に忍び寄る恐怖にも似た「カウントダウン」の鐘を、私は聞いた様な気がして…
それから前にも増して不安で不気味な日を過ごすことになる。
命のカウントダウン…
月単位の…カウントダウンだ。
できれば、「年単位」のカウントダウンであって欲しいと願った。
年が明けて9日目あっちゃんは、肝性脳症の5段階、意識レベルは0。全く反応しなくなってしまった。
あの時聞いた…
鐘は…「日にち単位」のカウントダウンだったのだ。
そんな…一年の幕開けだった。
今年は、娘家族が年末から泊まりに帰って来ている。
あっちゃんがいない2度目の正月。
今年は、年賀状を書かなかった。
しばらく…年賀状は書かないつもりでいる。申し訳ないけれど、届いた年賀状も読まずにそのまま…片付けることにした。
まだ…もう少し・・
私の年(時)は、
明けそうにはないから…
