当たらない御神籤
空は澄み渡り…風が気持ち良かった。
本当に冬なのか…と疑いたくなる程…空は柔らかく青く広がり、吹き抜ける風が心地良い1日だった。
それにしても、今年は穏やかな暖かいお正月だったなぁーと…思いながら、そんな空を見上げていると、やっぱり私の心はあっちゃんでいっぱいになっていった。
あっちゃん。
新しい年が始まったよ。
でも…なーにも良いことなんかないよ。この先も…これから先も…ずっとこんな毎日を過ごすのだろうねぇ。
一緒に美味しい物も食べられない。
一緒に温泉にも行けない。
一緒に難波花月に行って笑えない。
一緒に話もできない。
そんな毎日が…また、始まる…。
長い・・1年が始まったよ。
夢も希望もない1年が・・・
陽の光りに誘われるように、娘となっちゃんを連れてお墓参りに行くことにした。あっちゃんの大好きなビールを持って…
「お花よりお酒やな。
あっちゃん!」
そして、
娘がどうしても…っと言うので、帰り道近くにある神社に御神籤を引きに行くことにした。
神様なんて…いないと思っているから…初詣にも行っていない。
御神籤なんて…信じたこともないし・・・。
だけど…、
久しぶりに…。
100円払って、箱の中から一つ御神籤を選んで手に取った。そしてゆっくり開いて見た。
「大吉」
「やったー!大吉」
娘も…
「大吉!」
「えっ…」
「お正月だから…大吉多めに入れたんかねー。」なんて…言いながらも何故か少し嬉しかった。
「待ち人・・・必ず来る」って書いてあった。
ほら、やっばり…当たらない…。
