エレベーターを降りるとそこは天国だった
エレベーターに乗ろうとしたらメールが届いた。
「今!どこですか?」
エレベーターを降りると、そこは、
初めての「ビアガーデン!」というところだった。
白いテーブルに白い椅子が行儀よく並んでいた。白いテントみたいな屋根?の隙間から、黒い空が見える。吹いてくる風は、なま暖かいが不快には感じられなかった。
キョロキョロしている私を見つけたらしく同僚が小走りに迎えに来てくれた。
まずは飲み物を自分でついで席につくらしい…。そんな決まりがあるのか?
持って来てはくれないのか?
セルフサービスなんだ!
「そこのどちらかのコップで!」と、指差した先には、大きなジョッキーグラスが冷蔵庫の中に綺麗に並んでいた。アートみたいだった。
私は、まず烏龍茶を探して入れた。お酒は飲むつもりはない。できれば早く帰りたいと思っていた。車で来たし。
あっちこっちのテーブルからは、大きな声が飛び交っている。
私は、烏龍茶の入ったジョッキーを持ち…皆の居る先を目指そうと目をやった。
すると、誰もが皆、ジョッキーを持ち上げ、美味しそうに呑んでいた。誰もが皆、笑顔だった。
ふと…どこらから「生中!おかわり!」って…あっちゃんの声が聞こえてきそうな気がした。
だから、
少しの間、席に座らず辺りを見回してみた。
いるはずは…ない!
エレベーターを降りるとそこは、「天国」というところだった・・なんて…ことがあると嬉しいのになぁ。
一年に一回でいいから…と考えながらゆっくり席についた。
上司の悪口に、
ちょっとした学園の経営上の不満に会話は弾んだ。
そして、恋ばな・・まで。
もちろん!今日も
まだ!秘密…。
あっちゃんが死んだこと!
