何もかも棄ててしまいたい!
まだ陽は昇っていなかった。
数日前の同じ時刻なら…
街は、ちょうど…新しい陽の光に包まれようとしている時だった。
あまりにも眩しすぎて…前の信号機が見えないほど・・・
私はサングラスをかけて運転した。
今日…同じ時刻。
まだ暗闇の中にいた。
季節は確実に変わっていたんだなぁ。
9月の最終日。
明日から消費税が上がるのか…!?本当に!?
何か買っておくべき物があったのではなかろうか?今更…だけどそう思った。日用品を買い溜めしておいた方が良かったのかなぁー!?
なんて突然…薄暗い朝に、そう…思った。
いやいや!私には、
片付けなければならないものが山ほどある。
二度と住むことはないだろう…二人で建て暮らした家の中には、捨てる物はあっても買い足さなくてはならない物は何一つないではないか!
欲しい物なんてない。
捨てるものしかない。
気分は落ちこんでいく。
しらじらと明ける街。
その中で…振り払っても振り払っても…拭えないどんよりとした気持ち。
私の夜明けはまだまだ先のようだ。
やって来るのだろうか…?
自分から進まないと…だね!
眩しいほどの陽の光に向かって…
