一人ではないんだ!
放課後の誰もいない教室は、不気味に感じたものだ。
娘達が連休を利用して大阪へ行った。目的は新居探し。2泊3日。
その夜、
家路に向かう車の中で、キューンと胸を締め付けられるような気持ちになった。
この広い空間に
誰もいない・・・と感じた。
私が今…事故を起こしたら・・誰を呼んだらいいのだろう…
私が今…一人寂しくなったら・・何処へ行けばいいのだろう…って。
なんとも情けない話だ。
哀しいかな!
そんな私は、
あの日…から、
主人を亡くした日から始まっていた。
そう…
誰もいない教室に立たされてしまったのだ。突然に。
一人…置き去りにされてしまったのだ。
誰も座っていない机…
それは
整然と並んでいるだけで…
人がいなければ何の意味もなさない。
そう!
すべては、主人との死別から始まった…。
誰も居ない教室にいる私…。
でも、きっと・・・生きていれば、
ここに、少なくてもいいから、話し相手の席を作ってみよう。
そして大切な人は、私の横や前後に座らせようって…。
今日もきっと!
席に座ろうとしている誰かがいるはずだ。
そして、
いつか…
満席になった時、
私は笑って主人に会える。
そんな気がする…。
