思い上がった幸せ…
多分…
多分だけど・・・
『初めてのデートは、
上着は赤のシャツで白いズボンだった。(まるで紅白の垂れ幕!)
運転免許を取ったばかりで…
彼の自慢のコスモに乗ってドライブをした。』
私の服装なんて…
自分がどんな顔して助手席に座っていたのかなんて…
全く覚えていないけれど・・
何故か…
彼の笑顔だけは・・・
はっきりと浮かんでくる。
それが、その時の顔なのかどうかは定かではないが…
彼の姿は、はっきり覚えているような気がする。
しかし…
人間の記憶って曖昧なものだろう。
しかも自分の都合のいいように覚えていることも少なくない。
初めてのデート…だって、
本当は浮かない顔をして運転していたのかもしれない…。
服だって、
黒のシャツに白いズボンだったかもしれない。
より美しく…
より楽しかった・・・
とても幸せだった…と思い込み・・・それが今、私の記憶を作っているのかもしれない。
結婚生活だって…
全てが全て、幸せだったとは言えない。
私が作り出した映像なのだろうか・・
だけど…
だけど…
あの優しい笑顔が…
恋しくてたまらない・・・
