いつか晴れる ~私だけの戦い~
雨の中…
車を走らせた。
フロントガラスをリズムよく撫でるワイパーが私を懐かしい場所に連れて行ってくれるようだった。
車体を打つ雨音が…
窓を流れる雨だれが…
この世で生きている私に優しく語りかけているように思えた。
どこで…どう間違えたかは分からないけれど…
私は多分・・・
望んでいたことと違う人生を歩んでいる。
こんなはずじゃなかった!
何度自分の人生を悔やみ、誰を憎んでいいの分からないまま…
すべての人を憎み…
私の心は、いつも曇り空になってしまっていた。
今日の空のように…どんよりと重苦しく・・・
雨が・・・
大雨が・・・
嵐が・・・
吹き荒れるかもしれない…そんな中で暮らした。
死別は、自分の心との戦いだ。
愛おしい最愛の人に対して…
「お疲れ様でした。幸せな時をありがとう。ゆっくり休んでね…」って心からそう…言える日が来るまでの戦い・・・
母が亡くなり…
父が逝き…
主人が亡くなり…
母や父には・・・そう言える…ような気がする。
でも…
主人には…
まだ…
そう…
言えない・・・
空を…
どんな空でも…見上げると‥‥
返ってきてほしいと思うから・・・
今日は雨・・・
冷たい雨になったけれど私は姿のない愛おしい人に会えたような気持ちになれた。