願い事?は、ただ一つ…。
「やっぱり!お正月は帰る!」…って娘から連絡があったのは、12月も、もう終わろうとしている頃だった。
コロナ禍だったこともあり、2年ぶりの実家への帰省だ。
声は弾んでいる。
そりゃそうだ!
里帰りですもの…。
母はいないが…。
住み慣れた場所に帰るのだから…
待ちわびている人に会えるのだから…
私にとっては、義父母でも…
娘にとっては、本当のおばあちゃんとおじいちゃんだ。
しかも、大好き!と…きている。
子どもの頃から食べ慣れている、いつもの義母特製のお節料理にお雑煮。
それが嬉しいようだ。「小遣い稼ぎ(お年玉)もできるし!!」なんて…喜んでいた。
実家に帰るって・・・
嬉しいものだ!(私もそうだった)
「会いたい人達に会える。」
ゆっくり休める!
上げ膳据え膳!
本当なら…私の出番!だろう。
母親が一番頑張る日かもしれない。
だけど…
元旦…当日。
私はいつもと変わらない朝を迎えた。
直ぐにGPSのアプリを開いてみた。
既に娘家族は、車で向かっている様だった。(4、5時間はかかる)
大晦日から元旦にかけて寒波がやってくるとニュースで聞いていた為心配していたが、外に出てみるとそれ程の寒さではなかった。
その事を感謝しながら、私は職場へ向かうことにした。
その途中、
やっぱり世間は正月…なのだ。
初詣の人の列を見た。
今、人は何を願うのだろう…と思った。
私は、通りすがりに、そっと目を閉じ…
「無事に帰れますように…」と祈った。
私にとって願いは、
愛する人たちが「生きている」こと…
正月が終わって「会える」こと…
それだけだった。

