死別と生きる⑥ どっちが先か…
母が亡くなった時…
「いやいや!お父さんが先やろ!」って思ったし、口に出して言ってしまった。
父は、母の死から7年…
近くに姉夫婦がいたものの、一人で暮らしていた。(ちょうど今の私だ)
船員(貨物船の船長だった)を退職してから、船を買い、沖に出てはイカやハマチ⁉︎…の漁をし、楽しみながらお金も稼いでいた。
母が死んでから、
漁への意欲は薄らいではいたが、それでも、誰もいない家より海の上がいいらしく漁に出た。
その船名は「母の名前」だった。
一人で、ご飯を作り、洗濯し、掃除をし…もしかしたら、母より綺麗好きだったかもしれない。
たまには、親友と旅行し、カラオケを楽しみ…私達子どもには、何一つわがままを言うこともなく生活していた。
これが、母一人なら・・・
私達三人娘は、
父以上に気になり心配しただろうと思う。明るい人で、地域の人気者だったから友達は多かったけれど、自病があったし、父のように収入はないし…それでも泣き言は言わない人だから…
一人で我慢をし、「子どもの世話にはならないぞ!」って…
だから余計に、
何してるだろか?
体大丈夫かなぁ⁉︎って。
無理してないかな⁉︎って… 。
父以上に…。
今となってはもう、
元気に笑っている姿しか思い出されない。
65歳になったばかりで、年金ももらわないまま…だった。
だけど、一人で寂しい思いをさせなくてよかった。
大きな病気しなくてよかった。
あっちこっち痛がる姿…見なくてよかった。
私が、夫を亡くし…哀しむ姿見せることがなくて・・・
よかった…。
そう…思うことにしている。
そして、
主人と私。
若すぎたこと以外は、
主人が先でよかったのだ。
完治しない病気と闘いながらの生活は可哀想。
借金返済もある為仕事は辞められないだろうし、娘の出産や孫の世話なんて出来ないだろうから・・・
そして、
私よ り何倍も優しい主人だから、
自由にならない体を悔い、お金や娘のことを思い、悩み苦しむと思うから…。
私が遺ってよかった…
