今の私があるのは…(2015.8.20の改訂版)
「自分の生活の拠点をそろそろ決めなくてはならない…」ってい・つ・もいつも思っていた7年前。
主人が亡くなって…
一人で生きる…
主人のいない生活を…
到底受け入れることができなかった。
人は、私を見て…
何を思うだろう・・なんて、
今になって思えば、7年前の私は被害妄想の塊で…
そんなことないのに…
逃げたくて逃げたくて…
翻弄されていた。
「答え」は、大体決まっていた。
心の中では、誰がなんと言おうが揺るがない「自分の答え」を持っていた。
どこへ行くべきか!
そんな事を考えながら…
私はしばらく休日の日には家の片付けに専念した。主人の物にはなかなか手を付けることができずにいたが、自分の物やもう二人の生活には必要ない物は、どんどん捨てていった。
途中で止まったいた本棚の片付けを思い出し、両手で力強く扉を開けた時、一番下の棚の隅に、無動作に置かれた写真の束が目に入った。年代もバラバラで、アルバムに貼りきれなかった物だろうか・・・・かなりの枚数だった。
一枚ずつ一枚ずつめくってみる。
その中の一枚に手が止まる・・・
大粒の涙がこぼれ落ちた。
はしゃいでいる私がいた。
これ以上ない笑顔で・・・・おどけている私がいた。
そして、私の前には、煙草をくわえ、照れ笑いをしている主人がいた。
私の手は、主人の背中(革ジャン)をぎゅっと握りしめている。
幸せそうな「私」がそこにいた。
こんなに笑えていたんだ・・・
こんな表情がつくれたんだ・・・
忘れてしまっていた。
温かいあの感情を・・・。
大切な人が傍にいるだけで、「安心」からくる最高の喜びがあったことを。
二度と私は、こんなにも幸せに満ちた顔をすることはないだろう。
それからというもの…
私の心に響くものは、徐々にではなくて、かなり突然に無くなっていってしまった。
私の心からも大切なものが失われていった。
微笑み
優しさ
人を愛しむ思い
気力
やる気
会話 が・・・・・・・・減った。
楽しみ
喜び
夢は、考えられなくなった。
未来が
消えてしまったから・・・・
全く振向くことなく…
次の年私は家を出ることになる。
そして、2022.11月
私は、今‥また新たなスタートラインに立とうとしている。
もう若くないから…
静かに始めて静かに終わりたいと思っている。
