夫婦と「夫」
「夫」と死別した・・・
「母」「父」との死別では感じられなかったことだが・・・
主人を亡くしてから私は、何故か他の人とは違う人間になったような気がしていた。
「他の人とは、違う空間を歩くようになってしまった」と言った方が正しいかもしれない。
そんな感じ…。
いつも見ている景色が…
毎日いる場所が…
今まで一緒に働いていた仲間が…
違ってきたような・・・
孤独感…
疎外感…
目に見えない力に押しつぶされそうだった。
粉々になってしまった心は、毎日毎日痛かった。
そんな私が・・・
「義香さんって…
本当に面白くて楽しい!!」…ってまたよく言われるようになった。
そう…
いつの頃からか・・
以前の私に戻ってきている。
心が癒され…
孤独感や疎外感を感じなくなった訳じゃなくて…
「夫婦」で生きることを、
「夫」という存在があったことを、自然と諦めてきているようだ。
もう随分経ったし…
だけど忘れられるものでもないけれど…。
悔しがったり哀しんだりしても…どうしようもないってことも重々分かったし、
悔しいけれど…。
一人で生きるためには、
痛かった心に刺さった沢山の…
本当にたくさんの哀しみの破片を取り除くように・・・
私は私の苦しいぐらいの…
精一杯の諦めの気持ちで、
「仕方ないけど、
これが私の人生なんだ。」って…。
泣くより笑っている方がいいじゃない…。
