動きだした心
あっちゃんに
取り付けられた四角い機械・・
そのデジタルの大きな白い文字が、悲しくも・・・
「0」を表示したあの時・・・・
ピーとなる警告音を聞いた
その時・・
全てが止まったんだと思う。
「逃げられない」と・・・咄嗟に感じた。
「何から・・・?」
それは、
①苦しいほどのこの「哀しみ」から
②義父母や義弟から
③二人で暮らしたこの場所から
「逃げることはできないだろう」と思った。
私は、義父母の肩を抱き寄せ、娘と抱き合い「私に任せとき!」と、言った。胸を叩いても見せた。
全てが止まってしまった私は、 異様な程落ち着いていた。通夜、葬儀諸々の準備も娘夫婦と走り回って淡々とこなした。(もちろん義父母や親戚に助けられながら)冷静だった。現実でないような空間感・・・多分、あまりの哀しさに正気を失っていたのかもしれない。あの空間は違う世界のようだった。
しかし・・止まっていた私の心が少しずつ動き出す時が来る。
コンビニや相続問題、独り暮らしになる私の問題に直面し・・・自然と目覚めてしまった。
あっちゃんの「死」を哀しんで、嘆いてばかりもいられなかった。
「絶望」の中、
「裏切られた」という思いが・・・ 去来し暫く大きな渦を巻いていた。
それを、
「愛・・故に」と・・理解するまでには少し時間がかかった
「思うように生きなさい。」
「自分のいいように生きるのは、ずるいことではない。」と弁護士が言った。
「逃げられない」と思っていた私の心が、いつからか「逃げてもいいんだ」と思うようになってきている。
ただ・・・それには勇気が伴う。
諦めなければならないことが
幾つかあるから…。
