鬼嫁奮闘記④
外に出ると、大きく背伸びして青空を見上げた。いつになく…空は晴れ渡っている様に感じた。冷たいけれど…澄んだ空気が、これからの生活を暗示しているのか…身が引き締まる思いがした。
今日から始まる…新しい生活…
期待半分…不安半分…、
どうせ生きなければならないのなら、「楽しんでやれ!」そんな気持ちで、病院を後にした。
私の車の後部座席には、娘と生まれたばかりの赤ちゃんが乗っている。
「安全運転…安全運転」
「あっちゃん…頼んだよ。」
自分でも何を頼んでいるのかよく分からないが、あの日から、何かにつけて…
「あっちゃん…お願いね…」と、呟いている。
私の願いなら何でも聞いてくれるほどの力を持っているかどうかは知らないけれど、
一人残して…全てを私に任せて…先に逝ってしまったのだから・・・
空の上から…ただ…見ているだけじゃなく、私の願い通り…何事も上手くいくように段取りぐらいしてよ!って・・・
やっぱり…頼ってしまう。
今でも…
あっちゃんしかいない…
私の願いを聞いてくれるのは…
あっちゃん…頼んだよ。
