予期せぬ事
赤く光るヘッドライトの後尾に連なって止まった。
大雨,洪水警報が出ていたので、夕方になると、空はどんより灰色…何処かでまた…ゲリラ豪雨が発生しているらしい。
ゲリラ豪雨…いつからそう呼ぶようになったのだろうか。今までに経験したこともないほどの凄まじい雨が突然に・・・予期せぬ時に予期せぬ所に予期せぬ様な降り方で…襲って来る…。
だけど私は少しも怖くなかった。
娘のところに…
暫く行けそうもない。
その方が寂しかった…
暫く笑うこともないな…なんて考えていた。
仕方ない。
仕事を辞めるわけにはいかない。
落ち込む気持ちを乗せたまま…帰りたくない家に向かって一人…車を走らせることにした。大雨,洪水警報が解除されるのを待ってもよかったが、雨の中の運転も好きだったし、一度ゲリラ豪雨の下を走ってやろう…なんてそんな破壊的な気持ちにもなっていた。
赤い光が帯になって光っていた。
あっちゃんの死は予期せぬ事…だった。
本当に…あっちゃんの死は予感せぬ事だったのか?
ゲリラ豪雨にしても、幾つかの要因が重なり発生すべき所に発生するように、あっちゃんの死も予期していたかもしれない…
