私の過ち
結婚するまで、実家暮らしだった私は、家事の一切合切を母親任せにしていた。自分の下着すら洗ったことがなかった。
そんな私が上手く料理を作れる訳もなく・・・
結婚してからも晩御飯は、義母が作り、義父母の家で食べる。そんな毎日を送っていた。
たまに、家で2人で食事すると、
焼き肉をするって言うから…
トレーにのっている肉を、1枚・・1枚…水で洗った。
笑われた…苦笑い…
そんなこともあった。
後々まで…「肉を洗い出したのには、驚いたよ…」と話していた。
いつも…いつも思う。
私が家庭的で、料理も得意で、健康にも気を遣い、お酒の管理・体重の管理を徹底し、彼の仕事を献身的に手伝い、ストレスを与えず・・・そんな風に過ごしていたら…こんなに早く死んでしまうことはなかったのではないだろうか…と。
彼の死後…義母が、
「貴女が、食事をきちんと作って、病院へも早く連れて行ってやらんやったからねぇ…。」・・・と。
私は一生この罪を背負わなければならない。
この罪悪感が消えないうちは、まだまだ絶望の淵に立ったまま…私の視線は、暗く深い「絶望の底」を見つめ、青々とした広い空を見ることができないのだろう。
