いくら時間が経っても…
あの煌びやかなイルミネーションを見ると…錯覚してしまう。
クリスマスの灯り・・・に…
誰もがみな…幸せ…だと。
私も、この時季が一年で1番好きだったような気がする。
あんな事さえなければ…
今でも、きっと…美しいイルミネーションに見とれ、軽快でいて温かみを感じるクリスマスソングに耳を傾け…胸弾ませていただろう。
なのに・・・あんなことが起きてしまったから…
どんなに笑顔を振りまいてみても
どんなに笑い声をあげてみても…
心は…少しも揺れることがない。
あの煌びやかな光…の、色とりどりのネオン下にあっては、どんな「哀しみ」も打ち消してくれそうな気が…するが、そんなことは到底ありえない。
今日は、冬らしい1日だった。
朝から空気が冴えわたっていた。冷たかった。お気に入りの紫のマフラーで顔を半分以上隠し、車に乗った。やり残した仕事をしようと職場に向かうつもりだったが、何故か…車は・・・
久しぶりの海へと着いてしまった。
エンジンを止めると、途端に寒くなる。
どうして私は、ここへくるのだろう。
まるで、あっちゃんに逢いに来るかのように・・・
ここは、煌びやかなネオンもなく、時間とともに全てが暗闇に隠れてしまう場所だけど…
あの絶望を感じた日から…ここに来る。
そう思っていた時…携帯が鳴った。
「三回忌法要…1月15日にお願いしよう。」義母の声…
今年、一回忌の法要をしたばかりなのに…。誰が決めたんだか…
あっちゃんの法要だって…。
煌びやかな光も
心地よい柔らかな時も
一瞬にして消えてしまった。
