雪とコンビニ
すごい…雪だった…
朝起きると隣の屋根瓦が真っ白だった。
家の前の道路には全く雪は残っていないのだが…遠くの山々が薄っすら白い。空は一面雪雲に覆われていた。
今日は、近くで神明さんの子ども会行事があるらしく、久々の雪に歓声を上げながら子ども達が歩いていた。そんな光景一つとってみても…
何故か哀しい…
あっちゃんは、雪が嫌いだった。勿論…子どもの頃は好きだっただろう。しかし、コンビニを経営する様になって、雨だの雪だの…で、電車が不通になる。すると、決まって…学生スタッフから休みの連絡がたて続けに入ってくる。
休む暇もない。
休みの連絡の対応とシフト調整の対処でひと苦労。これが一番の苦労だったに違いない。スタッフ管理。
収入として本社から入ってくるお金も「人件費」という名目でほとんどチャラになる始末。
朝から晩まで…1年中…気を使いながら…体を使いながら…命を削りながら働いても…
増えるのは、借金と苦労…
そして…「病の数」
雪…一面…銀世界…そんな所に行ってみたい。そんな場所に行ったなら、青い空を見上げてみたい。
雪の上に仰向けに寝そべって…
周りは白一色…の中…
青い空を見上げてみたい。
そうすれば…今はきっと何の悩みもなく微笑んでいるあっちゃんに逢える様な気がする。
そう…そう…あっちゃん!
あっちゃんの店から500メートルしか離れていない所に、去年の12月新しいコンビニがオープンしたよ。
あっちゃん!
コンビニ辞めて…大正解‼️
