一人でも二人…
全ての部屋の前には鉄でできたテーブルとビニール製の椅子が置かれている。
椅子は、決まって2脚…
あっちゃんを座らせた。
釣りが好きだったから…この椅子に座ったら…目の前の海を見て・・
「沖に出て…糸垂らしたいのぅ。」って、最高の笑顔で言った。
「お前はいいのぅ。自由気ままで…。一人で好き勝手にできるのぅ。」とまで言った。
好き勝手…⁉︎
気まま…⁉︎
「自由だけど…好き勝手だけど、2つの椅子を見ては哀しくて、レストランに入るのに躊躇して、話す相手は、四角い機械から聞こえて来る声で…。
一人で好き勝手にすることが、どんなに勇気がいって、哀しいことなのか…あなたは絶対に分からんやろ!」って、
もう1つの椅子に座っている写真のあっちゃんを睨んで・・
そう言ってやった。
