死別の会で逢えた母
今、私が癒されるのは、心寄り添える人と話すことだと思った。
ずっと前から気になっている集会があった。
大切な方を亡くした人の悲嘆を分かち合う会・・・・
「死別の会」
インターネットで調べて、家から一番近いその会に参加してみることにした。
できれば、同年代ぐらいで、ご主人を亡くされた方と話してみたいと思った。
会場に入ると、 20人近く人が集まっていた。
「こんなもんか」
かなり意気込んで出かけて来たので、気落ちしてしまった。しかも、会場にいる人の平均年齢は、70を確実に越えているように見えた。
少し残念だった。
同年代の方と話したかった。
それでも先輩の方々のお話を聴くことできっと、建設的な気持ちになれるのではないかと期待し、椅子に静かに腰を下ろすことにした。
会場に入った時から私は、不思議な気持ちだった。入り口で頂いたパンフレットに目を通しているうちに、涙が自然と出てきた。
ハンカチを出した。
ここは「泣いてもいい場所」・・・・そう思うだけで、泣けてきた。
誰にも遠慮せず思いのまま・・・に。
午後2時ぴったり代表者の話が始まった。
代表の方は息子さんを14年前に亡くされたようだった。しかも息子さんは、失踪し自死したようだった。
ひとり一人現在の心境を話し出した。
私の番が来た。
一言話し出すと、涙が一気に溢れ出してしまった。
泣きながら・・声を詰まらせながら、
「この会に参加しようと思った理由」
「緊急入院して、亡くなるまでの事」
「後悔している事」
「私の居場所を探している事」を、思いつくまま話した。
本当は、質問してもらいたかったし、アドバイスも欲しかった。だけど、それを求める場所ではないのだと気付き、次の方へマイクを渡した。
この会の趣旨には大いに賛同できた。ただ、要望がある。
まず、会場に心地よい音楽を常に流してほしい。
次に、順番にマイクを回しながら話すのではなく、自主的に話したくなったら、自分の事でも、今話した方への質問でもできるように・・・・・自然に言葉が出せるような「話したい時に話す」雰囲気をつくって欲しい。
そして、
より、共感し、分かち合うために、グループ討論もしたい。
①年齢別で、
②配偶者・親・ 兄弟・子・・・など
大切な人別で・・・・
物足りなかった。
この会は、
「これが最初で最後かな。」
でも、帰り際に・・・
私の隣に座っていらした80代の女性が、私の背中を撫でながら、「貴方が元気でいる事が大事よ。」と言って下さった。
お母さんみたいだった。
義父母でさえ私の背中を撫でてくれなかった。
「貴方が大事」なんて言ってくれなかった。
お母さんに出会えた・・・
生きていたら
私の背中を撫でながら、きっと!
「貴方が元気でいてね・・・・」ってやっぱり言ってくれただろう。
そのお母さんの細い肩で暫し泣かせてもらった。
ありがとう!
お母さん・・・・。
