私は100まで生きるかも…
喧嘩をしたことがない。
喧嘩にならない…と言った方が…
彼は、絶対に…。
絶好の絶対に100%言い返えすことがないから。
多分腹の底は煮えくりかえっていたと思う。悔しくて、なぐってやろうか!とも思ったに違いない…
私ならば…そう思う。
だけど…彼は、黙って聞くか…
怒っている私を笑わせて…
チャンチャン!って終わらせるか…
そのどちらかだった。
持論ばかり並び立て、興奮気味に話している自分が少し恥ずかしくなって、私から謝る事も多かった。いつもは自然に仲直りだけど…。
「さっきは言い過ぎてごめん」って…
彼はどこ吹く風で…気にもしていない素振りを見せた。
彼とは喧嘩にならなかった。
私は、きっと彼との結婚生活で私の持っているほぼ全ての醜態をさらし…怒り、泣き…笑い…したであろう。しかし、私は彼の「醜い姿」を見た事がないような気がする。
彼は最期の最期まで見せなかった。
腹が立った時の怒鳴り声…
罵倒する言葉…
助けて欲しい時の悲痛な叫び声…
一切聞いた事がない。見た事がない!
そんな人だから…
早く逝ってしまったのかもしれない…全てを自分の胸に秘めて…
ならば、私は・・・
そんなに生きたくないけれど100まで生きられるかも…。
怖くなる!
