おかえりなさい…が言えない
夕焼けを見ると…
家に帰りたくなるのは・・・
子どもの頃から培われた潜在意識のなせる技なのだろうか。
皆で囲む夕食が…
湯気で何も見えなくなるお風呂…が
家族が待っている…
母が急に恋しくなり…
人の温かさに包まれたくなる。
夕焼けを見ると…「家」に心がいくのは、沈んでいく太陽を寂しく感じるからだろうか…。
陽はまた昇る…私には眩しいほどの言葉だけれど、沈む太陽を見た者は、皆…この言葉を胸に抱く。
夕焼け・・・
ずっと見ていたら…
あっちゃんと暮らした家に帰りたくなった。
彼が「家」に帰って来なくなって4年。
4年前の告別式の時…
あっちゃんへの最期の言葉として、
喪主挨拶の最期に…
マイクを通さず…
最期の最期に…
「それじゃぁ…あっちゃん・・・
いってらっしゃい」と言った。
今日の夕焼けは、
とても綺麗だった。
あの夕焼けから長ーい長ーい…黒い影が出てきて人影となり、動き出し、こちらに向かって誰か歩いて来てはくれないだろうか。
陽はまた昇る…
「いってらっしゃい」の…
次の言葉は、
「おかえりなさい」…
それが…言えない…なんて、
夕焼けが、一層恋しくしてしまう…
