金曜日の涙
昔から・・・金曜日が好き!
(きっと・・・みんな!そう!)
まさに、「花金!」
今も金曜日が好き。
ただ、あっちゃんがいた「金曜日」と、いない「金曜日」・・・・
随分違う。
あっちゃんがいた「金曜日」は、夕方6時頃になると、私の携帯にエグザイルの「道」が大音量で流れた。必ずと言っていいほど・・・毎週流れた。
私はそれを職場で心待ちにしていた。
「今日は、行ける?」
「うん!」
「30分後迎えに来てくれ!」
「分かった!」
毎週金曜日・・・おきまりのデート
泊を伴った遠出をする時もあれば、ほんの3、4時間の気分転換のデートの時もある。金曜日は、ほとんど外食だ。
「今日は、どこで食事をするか」決めるのも楽しみの一つ。
その短い時間が二人の憩いの時だった。その時ばかりは、慌てず、ゆっくり沢山話をしながら食事した 。
目を見て、微笑みながら・・・
確かに、私の目の前には、あっちゃんがいた。
二人・・・・だった・・・。
しかし、そのデートが終われば、必ずあっちゃんは、やり残した仕事をしにコンビニへ戻った。
あっちゃんが傍にいてくれたから、「最幸の金曜日」を過ごしていた。
8カ月、たった8カ月前までは・・
今は、一人
ひとりだけど・・・
「優しい金曜日」を過ごしいる。
誰にも邪魔されず思い切り好きなだけ泣くことができる。私の心に優しい金曜日・・・。
今!夕方6時30分・・・金曜日。
携帯に電話は・・・
いくら待ってもかかってくるはずがない。今日のデートは、遺影を抱いていつもの海へ・・・。
思い切り、泣くために!
泣いていて思うことがある。
泣いているのは私だけ?・・・って
あっちゃんは、泣いていないのでしょうか?
死んでしまったら・・・・
もう、愛した人のこと・・・
家族・・・のこと、
沢山の思い出・・・・・も
何もかも全て忘れてしまうのだろうか。
この世の全てのことが消えてしまうのだろうか。
もしそうだったら・・・
嫌だなぁ。
あっちゃんがいなくなって、あっちゃんのことが忘れられなくて、忘れられなくて・・・会いたくて会いたくて仕方なくて・・・悩んで苦しんで金曜日になると、恥ずかしいくらい泣いているのに・・
あっちゃんは、私のことをすっかり忘れてしまっているのだろうか。
もし、そうなら・・
悲しいなぁ。
かと言って、
「借金はどうなった?」
「家は大丈夫か?」
「コンビニとの話し合いは上手く いったのか?」
なんて、心配は、もうしてほしくないけれど・・・。
私があっちゃんを想うように・・
私のことは、毎日毎日想っていて欲しい。
私が、会いに逝くまでずっーと。
そして、
「待っていたぞ」って・・・喜んで迎えて欲しい。
本当に・・・本当に、
待ってくれているのなら・・
少しは、涙を堪えて・・・
少しは、寂しくても我慢して・・
頑張って、もう少し
生きられそうな気がする。

