絶望の淵に立てた!
使い掛けの洗顔クリーム
使い掛けのシャンプー・・・
使い掛けの化粧水と乳液
使い掛けの香水
使い掛けのムース・・が
いつもの場所に、動かした痕跡もなく 置かれている。
賞味期限切れのゼリー
賞味期限切れの焼肉のタレ
賞味期限切れのすき焼き風牛丼が、
随分前から冷蔵庫に・・・
とうとう誰も食べないものだから、そのまま・・・
そして、捨てられずに残っている。
まだ、賞味期限がある
レトルトカレー
ゼリー
ビール
日本酒
南国白くま(アイス)が・・・
あっちゃんを待っている。
あっちゃんが買って来た物
あっちゃんが好きな物・・・
最後まで使わずに・・
飲まずに、食べずに・・・
あっちゃんの忘れ物。
先週木曜日、弁護士から電話があった。
「奥様と娘さんの相続放棄の全ての書類は受理されました。今後は、お義父様お義母様の手続きを行ないますので、来週木曜日にお会いしましょう。」
あっちゃんの忘れ物
・・・・・大きな忘れ物
あっちゃんは、大きな大きな借金も残して逝った。
「 死んでしまった」ということだけでも・・・・・
死ぬほど哀しくて、苦しい思いをしているのに。
・・その上、借金だなんて・・。
私は重い荷物を背負わされて奈落の底に突き落とされた気分だった。
まさに「絶望」・・・。
「裏切り」でしかない!と思った。 悔しくて・・悲しくて・・・
腹が立って泣いた
声に出して叫んで泣いた。
泣いて、叫んで・・疲れ果てた時、
私は、
あっちゃんの大きな優しさを思い出した。
家族を想う大きな愛を思い出した。
現実を受け入れるには、少し時間がかかった。
闘いが始まった。
「苦渋の決断」
マイナスの遺産を放棄するということは、プラスの遺産も放棄しなければならない。家も・・車も・・貯金も、あっちゃん名義の物は全て。
奈落の底に落ちた私は、這い上がり、その淵にたどり着き、立ち上がることが必要だった。
「絶望の淵へ」
「絶望の淵でも・・・」
そのために決断した。
「相続放棄」
それが弁護士のお蔭で少しずつ順調に進んでいるようだ。
娘が、言ったあの言葉・・・
「生きることは、諦めることよ。」
そうかもしれない。
夫の死
相続放棄
コンビニ問題・・・
大きな忘れ物・・・
あっちゃんの忘れ物だから・・
大小問わず
片付けるのは、
私しか・・・いない。

