あっちゃん!いこう・・。
寝転んで空を仰いでいた。
今年は、秋が早いと・・・喜んでいたのに。
やっぱり日中は夏の太陽が、時折季節が移り過ぎていくのを惜しむかのように顔を出す。
目を細め揺れるカーテンを見つめていると聞こえてきそうな気がする。
「行くかぁ〜。」・・・
私が退屈そうにしていたり、つまらなそうに寝そべっていると必ず声を掛けてきた。
「行くかぁ〜。」
外へ連れ出してくれる合言葉。
「うん。行く。」
飛び起きて、ニヤニヤしながらあっちゃんに近づく。
そんな人だったのです。
昨年12月29日緊急入院し、10日後にはICUの個室に入り、腫れ上った体は動かすことも困難。その上、完全絶食の日々。そんな中にあっても・・
「今日は、さばを焼いて食べれ!」
「遅くなったから、ココイチでカレー食べて帰れ!」
「ゴン(私のあだ名)は、腹が空くと機嫌が悪くなるから、早く帰ってご飯食べれ!」
義母には、
「あいつは、雑煮が好きやから準備してやってくれ。」って・・
緊急入院して、年末の31日に「24時間の余命宣告」・・・・お正月の雑煮なんて、食べる気にもならなかったし、食べれなかった。そんな私を思って、義母にそう言ったそうだ。 (昨年末12月29日緊急入院、今年1月20日死去)
パクパク何でもよく食べる、私を見るのが、
とても好きだったみたい。
私の笑顔が嬉しかったみたい。
「ダイエットせぇよ。」と、言いながらも、
「これ食え、あれ食え・・・」
クリスマスのケーキなんか、コンビニで2、3個買ってきて、
「 ホール食い」・・・・。
私の一番近くにいた人は、
一番長く一緒にいた人は、
私が愛した人は・・・
私より、ずーっとずーっと笑顔が素敵な人でした。
気持ち良い秋風にまぎれて、
今日も聞こえてきそうな気がする。
「行くかぁ〜。」

