死ぬことなんて怖くなかったのだろう⁉︎
夜中に目が覚めると…
いつも…
リビングの明かりが点っていた。
彼はいつも…
いつもの場所で、
小さな音量で…
ソファーにもたれかかりDVDを観ていた。
大好きなお酒を片手に…
静かな表情で…
いつも…だった。
そう、毎日だった。
毎日…同じDVDを観ていた。
夜勤者との引き継ぎを終え、お酒とつまみを買い、彼は毎日毎日…「一つのこと」を楽しみに帰宅したのだろう。
今の私がそうで…あるかのように…。
娘の挙式、披露宴のDVDを静かに観ていた。(挙式後3ヶ月でこの世を去る)
私は…今、毎日毎日撮り溜めた韓ドラを観ている。
毎日毎日…
そう・・・
毎日毎日…
一人で・・・
そうしないといけないかのように…。
それしか思い当たらなくて…
それが、癒しの時間なのかどうかは分からないが、
ただ…
ただ…その時だけは、
その時だけは、
「今」の私を忘れた…。
何も考えなくてよかった。
彼もきっと…そうだったんだ!
彼は1日の締めくくりに、幸せだった時の愛する人達の笑顔を、姿をじっと観ていたんだ…。
忘れないように…
心に抱きしめて…逝ったんだ…
