絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

記憶喪失

 日も昇らないうちに出発した。

 

 眠たい目を擦り、コーヒーだけを口にして家を出た私は、ふと…「これは現実なのか」と自問自答する。

最近よくある事だった。


 何かにつけ…

「これは…やっぱり現実なのか⁈」と確認する。

 今日もまた、

 夜とも知れず…

 朝とも…見分けがつかない中を・・車を走らせる。

 

 これは…現実なのだ。

 間違いなく現実。

 しかも私が選んだ現実だ。


 嫌な現実…⁉︎


 信号待ちで車を止めた時…

 対向車線を走る黒っぽい大きな車に目をやった。

 その瞬間…





 正面衝突!

 私は救急車で病院へ運ばれ・・る。


 病院へ運ばれたものの・・

 一週間眠り続けていたらしい。

 この土地に身寄りのない私は、ただ一人…ベットの上で眠っていた。

  

 後から分かる事だが、その車を運転していたのはある財閥の秘書であった。後部座席には会長が座っていた。私は用意された特別室で眠っていた。


 そして、

 目覚めた時には・・・お決まりの記憶喪失になっていた。


 全てを忘れてしまっていた。(嬉しいことに)


 全てを忘れて記憶喪失に…。


 本当に…

 そうなったらいいと考えていると…


 職場が見えてきた。

 

 周りは現実を徐々に明るく照らし始めていた。

(なかなか韓ドラのようにはいかないものだ!)


 今日もしっかり記憶のある中で、なんとか生きている。

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