マスク…
こんな世の中になるなんて…想像もしていなかった。
人と人との間には…
適当な距離を保ち、マスクで顔半分を隠し、声の大きさに気をつけ、できれば小声で…。大声で笑うこと、叫ぶことは極力避けるように・・・なんて・・・
希薄な人間関係にさらに拍車をかける世の中…。
しかしこの状況は、私が望んでいたものに近い。
感情を誤魔化し、
弱みを見せず
平然とふるまう。
新しく人間関係を結ぶ人には、主人と死別したことなど決して話さない。
マスクで口元を隠すように…
私はマスクで私の生き様を、感情を…そして表情をも隠した。
ちょうどいい…。
職場での会食会も今年は全て取りやめになり、プライベートな話をしないで済むのも有り難い。
私にとっては好都合だ。
私に友達が少ないのも頷ける。
主人を亡くしてから
どんどん自分が嫌いになっていく…。
