2ヶ月に一度、かかりつけの病院へ出かけ、薬をもらう為に検診を受ける。

　先生の歳は…私と同じぐらいだろうか…。この頃、誰を見ても自分より年上に見えるのだが、実際のところ…10才も若かったりもする・・

　なんでだろう…。

　フレンドリーでプライベートなことも聞いてくる先生。私は適当にはぐらかしながら話している。

　

　先生は、

　きっと、私のことを・・・

　離婚はしていないが、夫婦仲が悪く義父母ともうまくいかない為、娘家族の家に転がり込み「夫とは…別居」でもしているのだろうと…思っている。

　先生が、

「こんな状態なので、なかなか家に帰れませんね。」と、血圧を測りながら言った。

　

「私だけではないですよ。学園の子ども達も家族になかなか会えませんから…仕方ないですね。」と返した。

　娘家族の住む…この場所に来て直ぐにした事はアパート探しだった。その次にかかりつけにできそうな医院を探した。インターネットで調べ、電話してみて、その対応の良さと服用している常備薬（3種類）を保管しているかどうかで、この医院に決めた。

　通院するようになって分かった事だが…

　なんと・・・

　先生は、以前のかかりつけの病院の担当医の大学の後輩であることが分かった。

　

　先生も驚いていた。

　私も驚いた！！

　

　それを知って縁を感じた。

　そして、知らない土地に来て心細かったせいか…なんとなく…嬉しくも思った。

　

　しかし、

　たった2ヶ月に一度の通院が、めんどくさくて仕方ない。

　こんな状況の世の中だし…

　病院は嫌いな場所だし…

　長くいたくないから…

「先生に薬だけ下さい！と伝えて下さい。私は車で待っていますから」と言ってさっさと受付を後にした。

　携帯が鳴り…

　受付に行って支払いを済ませたら、「義香さん！次回は血液検査を必ずするように！と先生からの伝言です。」と受付の人が言った。

　薬局で薬をもらってそそくさと帰った。

　この薬で命を繋いでいるのかどうかは分からないが…

　大嫌いな場所だけど…

　それでも…先生や看護師さんの…

「お変わりありませんか？」

「お大事にして下さい！」が

　

　　　　　　　　じわっと心に響く…

　そんな声かけ…

　ここでしか・・・聞けないから…

　ありがとう…