遺された物言わぬ携帯5
会いたくて…
会いたくて仕方なくて・・・
主人が最期に使っていた携帯を充電してみました。
主人の最期の携帯はアイホン5でした。
主人が亡くなってからは、私がその携帯を使うことにしました。
私はまだその頃、ガラケーを使っていました。
アイホンを使うことに戸惑いがありましたが、主人の形見であるし、意識がなくなる直前まで手にしていたその携帯を・・・
「生かしておきたい」と思いました。
電話番号は私の番号に変えました。
そして、主人の指紋や息が沢山付いていそうなその携帯を使い始めました。
しかし…人の命と同じ様に・・
6年の間に2回新しい機種に買い替えました。
主人に会いたくなると…
いつもはテレビの下の箱に入れてある携帯ですが、取り出して充電します。
主人が亡くなって…
しばらくして・・
きっと遺しているラブレターがあるだろうと…
メモ書きでもあるだろうと…
あらゆる所を、レシートの紙の裏まで見つけ確かめたものですが…
何台もある携帯も調べましたが…
な〜んも…見つかりませんでした。
この携帯には…
私を表した…
彼の目線から見たら私像が…ありました。
ジュゴンって私のことです。(笑)
私は…大きく・・・て、
食べることが大好きでしたから…
いつもいつも食べてばかりいましたから…
銀行の店長…の様です。
久しぶりに充電して…みました。
メモには…
「世界1 可愛い動物!」ってくらい…書いていて欲しかったです。
その携帯は・・・
ずっと「圏外」を表示しています。
声が聞きたい…です。

