絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

太陽を追いかけてみよう。

あまりにも太陽が綺麗だったので、いつも降りる高速出口の二つ手前の出口で下りることにした。


夕陽を追いかけてみようと思った。

あっちゃんがいたら・・・・

「ナビ」は必要なかった。

何処へ行くにも、あっちゃんが、「人間ナビ」だった。

地図さえあれば、「次、あの信号右」の声で・・・・迷わず目的地に着くことができた。

2人で長年乗っていたナビのない車。

後1、2年は、乗ろうと思っていた。しかし、「相続放棄」をしたので(あっちゃん名義の車だったから)思い出がいっぱい詰まったその車は、廃車にするしかなかった。


今年5月・・・廃車にした。

あまりにも思い出が多くて、廃車にしても家の駐車場に飾っておこうかとも思ったが、現実問題・・・そうはいかなかった。


中古で白い車を買うことにした。

あっちゃんの代わりに、私を迷わず目的地に連れて行ってくれる「賢いナビ」が付いている事が必須条件だった。

本当に「ナビ」ってすごい!

だから、

あっちゃんの代わりに・・

ナビがあったから、途中でも・・・太陽の沈む場所を目指して下りてみた。

徐々に田園風景が広がった。

稲刈りが終わった後のようだ。

腰を丸めた老夫婦の姿と若夫婦の姿が夕陽に照らされていた。

互いの労をねぎらっているのだろう。

肩を並べて収獲を喜んでいるのだろう。


畑の真ん中にドーンと置かれた大きなコンバインから、大仕事を成し遂げた喜びが感じられた。


太陽が隠れかかる。


四人が思い思いの手荷物を掴み、家路を急いだ・・その頃

・・・太陽が半分姿を隠した。

綺麗に並んだ

刈り取られた

稲の跡が黄金色に輝く。


眺めていると、涙が流れた。

その稲の跡に「家族」が見えたような気がした。

共に、汗し・・辛い時を支え合い、苦労が報われたと喜び合い・・また明日への意欲を育む・・「家族」。


綺麗に並んだ稲の後は、・・

太陽からのプレゼントだろう。



太陽が完全に姿を隠した。


きっと、家に帰り着く頃、ご飯が炊けるあったかい匂いがするんだろうな。


あぁ〜ぁ。

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