それぞれが望む最期の在り方
夫との死別後…
一緒に歩いていた「道」が崩れた。
そう…
そう…
夫と一緒にいたら…
多分ずっと安全で安心だったであろう道だった。
そんな道がなくなった。
それも、
まだ二人で、
どのように生きて…
どのように終わりを迎えようか… なんて考えるひまもなく…
考えるには早過ぎたから・・・
全く話したことがなかった。
今を楽しく…
今年の夏は何処へ行く?
クリスマスはどう過ごす?
ボーナスの使い道は?
なんて…そんな事しか相談しなかった。
約束があったんだぁ…。
60才になったら…
新婚旅行の再現をしようと…。
ワイキキビーチで泳ぐことはできないけれど…二人で夕日を背に砂浜を歩くことはできただろう。
そして、
若かったあの時も座った…
あの大きな大きな木陰の元でレイをもう一度買って、互いの胸に飾り…
昔を懐かしみながら、二人で前を向いて本気で話し合いたかった。
「死」を意識した・・
これからの二人の未来を…
これから二人の安住できる場所を…。
お互いの最期の迎え方を・・・。
ねぇ!
あっちゃん…
お互いに60を過ぎて…
65才になって…
70を超えたらどんな二人になっていただろうねぇ〜。
シワシワの顔が見たかったなぁ…
