私は…

自分の周りしか見えない。

見えていない…。

見ようともしていなかった。

多分…あの日から・・・

私の世界は徐々に狭くなっていった。

それを望んでもいた。

周りのことは、

見たくなかったし、

聞きたくなかったし、

言いたく（話したく）もなかった。

自分のことだけ考えた。

亡くなった主人のことだけ思った。

私の目指していたものは、

大切な人との「死別」なんて…

なかった・・・かの如く安定した…

安心できる…

静かな毎日を送ることだった。

現実を消すように…。

でも、

そんなことをしていたら・・・

今まで築き上げてきたものが、一つずつ一つずつ静かに消えてしまってた。

仕事…

職場で育んだ友人…

店…

家…

地域、親戚等の人との繋がり…等々

薄れていった。

途中で気づいたけれど…

私はそれでいいと開き直った。

何もなくても…いいと思った。

そして少し経った頃、

自分の環境を変えようと思った。　

「私の…」

「私だけの世界」を創ろうとした。

そこには、幸せも不幸もない。

喜びも悲しみも私に関わることだけ。

世の中がどの様な状況になろうとも…

嵐が来ようが…

コロナ禍で混乱しようが…

「私だけの世界」は、何も問題がなかった。

この6年の間に私は、孤立（独立）国家を創っていた。

そして、そこで一人生きていた。

誰からも悟られないように…

自分の何かを隠すように…

この世に生きながら…

共生（共に生きる）することの喜びを知っているのに…

感動するのも…

喜ぶのも…

嘆くのも…

悲しみにくれるのも…

私に関わることだけにした。

このままではいけないだろう。多分…。しかし、６年の年月を重ね創られていったこの「私だけの国家」を壊すには、今以上の…何か大きなエネルギーが必要だ。

そのエネルギーの根源が何か分かるまでは、もう少しここに居座るしかないのかもしれない。