永遠の恋人!
「あーぁ…⁉︎ 店長?
義理の兄なんですよぅ。」
直ぐにバレる嘘をよくもスラッと吐いたものだ…。
私は、仕事帰りにほぼ毎日主人が経営するコンビニに寄った。
仕事の裏方(発注や検品、掃除等)を手伝う事がよくあったし、店に行けば必ず顔を合わせる事ができ、すれ違い夫婦でもここでならしっかり話ができた。
重い腰をあげ自宅へ戻ろうと店を出る時、知り合いに呼び止められる。
「義香さん、店長さんと苗字同じだけど…どんな関係?」って聞かれることも少なくなかった。
珍しい苗字だし…。
若い頃からの知り合いは、
そのコンビニの店長は、私の主人であることを知っていた。
「兄」じゃなく!
「義兄…」なんて…
よく言えたもんだ!
主人に話したら笑って聞いていたけれど、内心どうだったか?
もし逆だったら…
離婚問題に発展しそうなくらい大喧嘩しただろう…。
大好きだった主人が、
亡くなる5年前頃から、徐々に変わっていった…
「肝臓は沈黙の臓器」とは言え…
主人の体は訴えていた!
主人もきっと声に出していたはず!
容姿が…
顔色が…
動きが…
笑い顔が…
変わっていった。
そんな…
そんな主人を労わるどころか・・
「義兄です!」なんて…
心が離れていた時期があったにせよ…罪深いことをしてしまった。
私にとって、誰よりもカッコいい人であり続けて欲しかった。
ずっと恋していたかったんだ…。
