笑いが消えた…実家
座卓テーブルを縦に3つつなげて、
仏壇の前に座るのは父でした。
テーブルを囲むように、三人娘の家族全員が席に着きます。(従姉妹家族や叔母達が参加することもよくありました。)
もちろんテーブルの上に並ぶ料理は、母!お手製の物ばかり・・・
料理を手伝うのは、姉だけです。
母は、ほとんど席に着くことがありません。
母の…台所で、賑やかな声を聞いていたり、最終料理である卵焼きを作ったり…座敷につながる廊下や部屋の片隅に座り私達を見ています。「微笑み」ながら…。
飲み物が揃ったところで乾杯!!
そこには、
「笑顔」がいっぱい!
「笑い声」がそこら中で…
声が飛び交い…
料理を目の前に手が交差します。
空いたグラスに、
自ら注ぐ者…
注ぎ合う者…
みんな嬉しそうです。
そのうち、お腹が適当に膨らんだら、家中を走り出す子ども達…
違う部屋では、女の子達の学校ごっこも始まります。
娘婿三人に従姉妹の婿、合わせて四人は、今回のゴルフ大会のことに花が咲きます。それに合わせて嫁である四人は、順位に合わせた賞状や賞品を用意します。賞品には、ひと工夫もふた工夫もあり、「笑いなし」では受け取ることができない物もあります。
そんな滑稽な授与式でした。
ゴルフの結果発表と賞状の授与式が始まるとみんなが集まります。
父が婿達に手渡します。
母ももちろん見ています。
「笑い」ながら…。
だけど…
それが完全に無くなりました。
母が…
父が…
主人が…
亡くなってしまったからです。
私の…心に・・・
「笑い」を生む種が無くなったからです。
