哀しい時間!?
街が暗闇に包まれだす…
店やホテルの看板に灯りがともり、街灯は綺麗に並び柔らかな光を放つ。
暗い街が灯りによって徐々に彩られていく。
私にとっては、1日の中で一番「寂しさ」を感じる時間帯だ。
沈みゆく心があって・・・
目の前では暖かな光が灯りだす。
対照的なその様に…
明るさを増すその光に・・・
私の「哀しみ」が照らし出されるようで…
余計に沈んでしまう…。
列をなす沢山の車…
多分…
これらの車はそれぞれの目的地へ…家へ・・・
歩道には、自転車レースでも始まったかのように…
必死でペダルを回す学生の集団が…。
そうこうしているうちに、
薄い墨を流したような空に浮かんでいた雲が姿を隠し、陽も落ちる。
気がつけば…
煌々と電気を放つ巨大な建物や店が、我が物顔で立っているのが目に入る。
街も…眠りにつくための準備をしている。
あの日から…
私は、心地よい深い眠りについたことが…多分一度もない。
信号待ちでシートにもたれかかり…
瞳を閉じると…
このまま眠ってしまいたいような‥‥そんな気持ちになる。
そうそう!
主人が生きている頃は…
この陽が沈みゆく時間帯が好きだった。
明るく灯を灯した家で…
待つ人がいた。
待ってくれる人がいた。
私の居場所があった。
主人がいて…幸せだったから・・・
でも…
今だって…
そんなに不幸じゃない!
待つ人も…
待ってくれる人もいないけれど…
陽が沈みゆく時…
私の「哀しみ」が照らし出されるのではなく…
私の幸せだった日々が甦る・・・
(トン子さんありがとうございます)
