自分のことを許せない…
そうしないと…
耐えられなかった…
目の前で、大切な人を失った自分を許せなかった。
愛する人を失った時の苦しみや絶望感は言葉で表すことなんてできない。人に話そうとも、分かってもらいたいとも思わないが…。
本当に苦しかった。
本当に・・・
だから、
誰も知る人のいない街へ…
あらゆるものを捨てて出て行った。
私の行動は、
間違っていたのかもしれない…が…
自分を許せなかったから…。
人にはそれぞれ…
置かれている環境が違う。
「愛する人の死」と直面した時も置かれている環境で「死」との向かい合い方が違う。
娘を嫁がせ主人と二人で暮らしていた私。
もう一度、自分を謳歌できる時だった。仕事も、趣味も。側には主人がいて…。
ちょうどいい距離感で…
二人で…
本当に二人で…
目まぐるしく変わる季節をこれからは・・
ゆっくり眺めて…
駆け足で過ぎ去ろうとしている時間を・・・
手を取り合って…
生き始めるはずだった。
どう考えても…
何処をどう探しても…
主人に代えられるものはない。
