そんな貴方がうらやましい…
世捨て人…のように…
生きてきて八年が過ぎ…
実家から離れ…
二人で暮らした家を捨て…
その町から離れ…
仕事を変え、結婚してから知り合った人達との交流を避け…
私はまるで・・・
別人を装い…
不幸を背負っている私であることを忘れたかのように…
私であって
私ではなく…
私でないようで
私そのもので…。
周りの皆んなが私のこと知らないから…
主人のお葬式に来ていないし…
喪服姿の私を…
泣き泣き挨拶している私を知らないから…
見ていないから…
例え・・・
始めは作っていた笑顔が…
いつしか本当の笑い声になって…
寂し悔しい一人芝居の日々が…
いつ頃からか…
気軽な一人生活だと感じることも多くなって…
自分ばかりを責めていた「夫の死」だったけれど…
今では自分以外の人や事柄を責めるようになって…
少しずつ…
少しずつ…楽になった。
気づいたら…
可愛い可愛い娘に、
腕や顔や手を撫でられながら…
両脇から両親に優しく声を掛けられながら…
正面では愛する妻が、
必死に貴方の名前を呼び…
そんな中で…
そんな中で静かに…
安らかに眠りについた
貴方が羨ましく思える…
...そんな時がある。
