毎日…会いたい
小さなお店の二人がけのテーブル席にあっちゃんは座っていた。
入り口を入ると・・
後ろ向きで座っていた。
直ぐにあっちゃんだと気付いた。
おでん屋さんだ。
近づいてみると…
案の定、テーブルの上には、お皿にのった五つぐらいのおでんの具と、その横に、湯気の立ったお酒入りのグラス…が置いてあった。
「あっちゃんやな!
何処でも飲んでるんやな!」
向かいの席に腰を下ろすと、あっちゃんが言った。
「お金の事…ずっと悩んでいた。
早く、お前に打ち明ければよかっ
た…。」って…。
あれから…一年近く経って、
面と向かって言えなかったから・
生きているうちに
言えなかったから・・・
今…?
どうして…今…なのよぅ。
どうして夢の中なのよぅ。
もっと早く、あっちゃんの心…楽にしてあげたかったのに。
「本当に…ごめんね。」
久しぶりにあっちゃんに会えた。
去年の今頃、あっちゃんは肝性脳症から目覚めていた。
毎日5,6本の点滴に繋がれ、身体はパンパンに腫れていたけれどいろんな話をした。(重要な事は全く話さなかった。)
顔を…手を…肩や背中に
触れながら…
白い病室で過ごしいた。
今日久しぶりに会えた。
お酒の匂いのするおでん屋さんだった。
後…の こ り4日…。
