息だけ…していた
右が左か迷ったとき、あっちゃんが教えてくれた。
私の中でほぼ決まってはいるが、あっちゃんに背中を押されると安心して決断することができた。
私の・・・
人生の羅針盤だった。
幸せの羅針盤でもあった。
正確な優しい羅針盤だった。
その大切な羅針盤を失くしてしまってから…一年・・・
・・・ 迷っている。
ちゃんと…進むべき道を指し示してくれないから、
明かりを照らしてくれないから、
いつからか……
私自身さえ見えなくなった。
進むべき道も
見えなくなった。
「あっちゃんがいない」
…と言うことは、
寂しいだけじゃなかった。
哀しいだけでもなかった。
私が…
私でなくなっていた…
何もかもが…
見えなくなっていた…
