夫と妻
「言わない」優しさ…か、それとも
「言わない」ずるさ…か。
「言えない」恐怖心…か、それとも
「言えない」愛なのか…。
義母への愚痴も…私の声高らかに話す仕事の自慢や仕事への苛立ちも・・コンビニに対する不満…そして私自身の身体の不調や不安…何もかも全て・・・あっちゃんには話していた。
妻は夫には、何でも話したいと思うものだ。
それを、
鬱陶しかっただろうに…
「おぅ…おぅ…」って、いつでも聞いてくれる夫がいたら…尚更…だろう。
でも夫は違うのだろうか。
あっちゃんは…
自分の身体のこと…肝硬変が進行している不安や辛さ…コンビニ経営のしんどさも…悩みも…何もかも話さなかった…。
彼が特別なのだろうか。
それとも…男の人は、何もかもは、話さないものなのだろうか。
まさか!
私だから・・・こんな私だったから、話せなかったのだろうか。(そうだとしたら…こんなにも悲しいことはない。)
あっちゃんの死後…発覚した様々な事実(病気・借金・コンビニ問題)に困惑した。絶望した。「死」を哀しむ余裕さえなかったほどだ。「裏切られた…」と思った。暫くの間、流れる涙は悔し涙だった。何も知らずに過ごしていた私自身への自責の涙…
大切なことは何一つ言わずに逝った彼に「怒り」すら感じていた。
人生の最大にして最高の相棒・・・
それが、あっちゃんだと私は思っていたのに…
あっちゃんは、違ったのだろうか。
あっちゃんからのメッセージ…
今も探している…
あっちゃんの心が聴きたい…
「愛」故に…言えなかった…
