「溶血性貧血」
いつから…始まっていたのだろう。
健康である状態と病気の状態との間に、「病気にはなっていないが健康ではない状態」「病気ではないが、病気に向かっている状態」があるという。このような状態を東洋医学では未病と表現している。
それは、もう…27年ぐらい前…
祖母の通夜の日だった。
あっちゃんは、倒れた。
異常なほどの大きないびきに気付いた近所の人が、道路で倒れている(寝ているかのように)あっちゃんを見つけ、人を呼び、近くの病院まで運んでくれた。
それから…数年後には、近所のお店の自動販売機の前で、意識をなくし倒れているところを店主が見つけ病院へ、救急車で運んでくれた。
そして…また、数年後、
今度は車の運転中に意識を無くし、電信柱にぶつかるようなかたちで車は止まっていた。無意識に踏むアクセスの音に気付いた近くのお店の人が、ハンドルに顔を埋め、動こうとしない運転手(あっちゃん)に対し、異常を感じ、警察を呼び病院へ運ばれたらしい。
その病院は家から遠く離れた場所にあった。その日、あっちゃんは出張だった。その出張先での事故だった。幸いにも、相手が、電信柱でよかった。もし…近くに人がいたら…と考えるだけで…ぞっとする。
病院へ駆け付けた時、あっちゃんは、処置を終え、ストレッチャーに乗っていた。病院へ着いて直ぐに意識は回復したらしい。私を見つけると、
「心配かけてすまんのぅ。」と…言った。
今思えば…
既に20代の頃から症状が表れていたのだ。
「未病」正に「未病」
後々…医者から
「溶血性貧血」という病名を聞く。これが、20代から症状として表われていたかどうかは分からないが…あっちゃんの体は、早くから「病気にはなってないが健康ではない状態」が続いていたのかもしれない。
肝臓が悪いと一度も医者から聞いたことがなかった。
薬害…だと聞いた。あの時は…
あっちゃんは、晩年も…
何度か倒れ私を驚かせた。
