お前百まで…わしゃ九十九まで…
今になって…
人生が・・・「生きる」ことが…恐ろしくなった。
「死ぬ」ことが恐くなったわけじゃない。いつ…でもあっちゃんの所に逝ける。
「生きる」ことが恐くなった。
窓辺に置いてある写真の中…に、
娘の結婚式で…
顔を見合わせて笑い合っている…あっちゃんと私の写真がある。
グアムのホテルの前で…ちょっぴり南国ムードに誘われて…
肩を抱き寄せ合う2人の写真…が。
「顔を見せ合い…笑い合う。」
「肩を寄せ合い…抱き合う。」
2人以上存在しなければ成り立たない行為だ。
2人いなければ・・・。
それが出来なくなったから・・・
恐くなってしまった。
子どもがいるじゃない!姉妹が…と思うかも知れないけれど・・。
それは、違うんだなあー。
姉妹には姉妹の…
子どもには子どもの…
友達には友達の…
同じ手でも…その…
肩に触れられた時の手の重さが…温もりが…安心感が…解き放たれる心の波の大きさが違う…。
あっちゃんが生前言った。
「俺とお前は、一心同体!」って。
2人で乗り越えるはずの波を、
一人で・・・
どうやって乗り越えようか・・・
恐くなったのだ。
2人いれば・・
言い合って…話し合える…
笑い合って…抱き合える。
同じ価値観で、悲しみ苦しみ合い
…でも、慰め合える。
そして、いつでも助け合って…支え合える。
確かに、
そこに…存在しなくても、
自分の両手を合わせ、あっちゃんに語りかけることで、心の…ほんの少しの支え合いに…愛しみ合いになっているのかもしれない。
だけど
「見えない」から…
解り合えない。
ずっと…ずっと…
その時、その時の思いが
心が重なり合うことができないから…
とても…怖い。
