優しさに包まれて…
あっちゃんが緊急入院をしたのは、2014年12月29日。
「24時間の命」だと、余命宣告を受けながら、大晦日…元旦を病室で過ごした。
不思議な時間だった様な気がする。
横にいるあっちゃんが「あっちゃんでないような…」
そこに居るのに…居ないような…
雲の上にでもいるかのように…そんな時間だった。
でも…そんな中でも…あっちゃんは、優しかった。
正月には、お見舞いに来たお母さんに、
「こいつは、雑煮が好きやから、帰ったら作って食べさせてくれょ」
「おせちの用意はできとるんか?こいつの分も重箱につめてくれぇの。」
あっちゃんの入院で、正月どころじゃないのに…ましてや自分は、毎日少量の水だけの絶食生活。そんな時でも…私のことを考えてくれていた。
「今日は、鯖を食べろよ。○○の店は美味いから、そこで食べろ。」
彼が他界してから…私宛の手紙があるのではなかろうかと探しに探したけれど…何も出て来なかったのは、以前にも話した通りだ。
だけど…彼の遺品には沢山の優しさが遺っていた。
あっちゃんが死んでしまってから…知った…彼の愛…
《彼は生前、東京で就職した娘に、私が好みそうなバックや服を探すようにお願いすることがあったらしい。このメールも彼が亡くなってから見つけたもの。似たようなメールが幾つもあった。》
私は、生前…こんなにも彼を愛しただろうか…。
居なくなり…会えなくなったことで、自分が寂しいから…自分が辛いから…独りが苦しいから…涙を流しているのではないだろうか。
あっちゃんのしんどさを…苦しさを…やり切れなさを…考えたことがあっただろうか。
何も言わずに逝った彼の無念さを「絶望」「裏切り」と捉えた私…。
今…流している涙も・・実は、自分が可哀想だからではないのだろうか。
あっちゃんの方が…何倍も何倍も…悔しくて・・・哀しいはずなのに。
早く…謝りに逝かなければ…。
