告別式と結婚式
初めてで…最期の喪主を務めた2年前の今日・・・は、
あっちゃんの告別式だった。
私は、
母が、嫁ぐ時に持たせてくれた家紋入りの喪服を着た。
母の葬儀の時には、姉妹3人で、母がそれぞれに持たせてくれた喪服を着た。3人とも初めてのことだった。
泣きながら…
「母が用意してくれたものだから、母に見せないとねっ」と…言って、着せて貰った。
だから…2度目だった。
この喪服に袖を通すのは…。
あっちゃんの告別式が2度目だった。
この日…
自分で着物を着ることができない私は、着付け師に頼むことにした。
喪服を広げ…
「哀しみ」の真っ只中にいる私は…ただ茫然と立っているだけで精一杯だった。
すると…着付け師が話しかけてきた。
私の…私の「哀しみ」は、突然…2倍にも3倍にも膨れ上がった。
なんと…
私の最大の…最高の「喜び」の日をつくってくれた人が・・・。今、喪服を着せてくれている人だった。
まさか…
喪服を着付けてくれた人が・・・
私の花嫁衣裳の
着付け師だったなんて…。
私は今も…喪服を着ている。
心に、今もずっと着ている。
