最大の後悔
あの日がやってくる。
あっちゃんが再び輝こうと意気揚々としていた・・・あの日が・・・。
ちょっぴり!「幸せの予感」・・・も あったのかもしれない。
本当は、不幸の始まりだったのに・・・
全然気づかなかった。
親戚や友達から届いた飾り花や大きな観葉植物の数々。店の中には入りきれないので、店頭にもずらりと綺麗に並べてもらった。姉妹からは、大好きな蘭の鉢と祝電が送られて来た。
平成14年8月8日
空は晴れ渡り・・・夏本番・・ 。
店の外にもテントを張り、FF(ファーストフード)の店頭販売をした。お客さんには、風船やうちわのプレゼント。
本部の応援もあって賑やかなオープン当日だった。
あっちゃんのコンビニ・・
開店・・。
店の中に響くお客さんの声。それに、負けまいと、気合いの入る接客用語。
「いらっしゃいませ。こんにちは。」
沢山のお客さんを見ると嬉しくて・・
慣れないレジに四苦八苦しながら、それでもあっちゃん笑ってた。
これまでに見た事がない真面目顏。
二人で並んだレジの前。
緊張して失敗・・・それがおかしくて、おかしくて、笑いが出る。しかし、お 客さんの前で声を上げて笑ってはいけないので、必死に我慢する。
顔を下にしたり、後ろにしたり、誤魔化しながら・・・・ 我慢すればするほどおかしくなる。
二人の目が合うと、もう、大変!
笑いで言葉が出ない。
「◯◯円になります。」が、言えない。
笑いを堪えて、事務所の中に駆け込む。そして笑った。
顔見合わせて腰を曲げて笑った。
睡眠時間は、3時間。
命を賭けた転職・・・だった。
幸せになれると思っていたから。
でも・・・でも現実は違ってた。
全く違ってた。
コンビニをオープンさせたことこそが、私の人生最大の後悔だ。
私に「先見の明」があったなら・・コンビニなんかやらせなかったはず。
ごめんね。
あっちゃん!
車を走らせていたら、そんなに距離も離れていないのに、コンビニが列をなして並んでいる。建設中のコンビニもある。消費者からすれば、ありがたい。
店長さん!暑いですが、身体に気をつけて無理をせず頑張って下さい。
