私も半分なくなっている。
「死」…
人はみんな死ぬ…
私も…。
そして、そばにいる大切な人も…
「死」は恐怖だった。
「死」は残酷だった。
「死」は容易く起こることではないと思っていた。
時々…
告別式の案内を示す看板を車の窓から見る。達筆な字で書かれたその名前…。
そこに、まさか…
母の名前が…
父の…
そして、主人の名前が書かれることがあろう…とは思ってもみなかった。
大切な家族は「絶対に死なない」と思って生きてきた。
家族だけは、一番身近にいる人達だけには「死」が訪れるはずがないと…訳もなく信じていた。
だから…母の死はショックだった。
本当にあるんだ!
私の身に起こるんだ!
まさか!ってことが現実に…って!
母は、自分が死ぬことで私に教えてくれた。
遺された者の苦悩を…。
母の死後…7年後・・・父が他界した。
そして5年後…主人が死んだ。
私も半分…死んだ!
本当に起こるんだ!
