一年の終わり,命の終わり…
あの年の暮れは寒かった。
雪が降った…。
病室の窓ガラスから、徐々に積もりゆくその雪を・・・
一面を白く…真っ白に、何もかもを隠していく雪を…ただぼんやりと眺めていた…。
私の横には、24時間の余命宣告を受けたあっちゃんが携帯を触っていた…。いつもと変わらない表情で。
自分の命が「今日で終わる」事を知らないで…。
絶食…
永遠に続きそうな点滴…
水分規制…の為水も飲めず…
尿の量を測る袋をベットの横に垂らして…
それでも…
「死ぬ」なんて…考えるはずもなく、来年には、退院できることを信じて…
しんしんと降る雪のように…
そこには静かな時間が流れていた。
でも…本当は私は、
今にも大声で泣き出しそうで…どこにどうやって吐き出したらいいか分からない不安で…恐怖で…何とも言えない…気持ちがあって・・・。
そんな時、九州から姉と妹が新幹線に乗って来てくれた…。
12月31日に…。
明日は元旦だよ・・・世間は!
どれだけ心強かったか!
その時のお礼…
まだ言ってないような気がする…
